【New Member Story】30歳の節目にM&A業界に転身。銀行員時代に一番感謝され、記憶に残ったのがM&Aの仕事だった。

銀行は自社サービスの提案だけでなく、提携事業会社のサービスもお客様に提案できることで総合的な金融ソリューション提案を行うことが可能です。

一方、銀行という大きな看板の下、お客様からの感謝の対象は銀行という組織に向き、個人への感謝は少ないと感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

当記事では、「お客様に感謝される仕事がしたい」「替えの利かない人材になりたい」という願望を叶えるべく、新卒で株式会社みずほ銀行に入行し、30歳を迎える節目のタイミングでfundbookに参画した鈴木に、転職時の葛藤や決め手について聞きました。


 

<Profile>

鈴木 裕敦(すずき ひろあつ)

 

東京都出身。東京大学卒業。新卒で株式会社みずほ銀行に入行。東京・大阪の国内営業基幹店にて、上場企業を含む100 社以上の中堅中小企業を担当し、多数のファイナンス案件や資本政策のコンサルティングに従事。またグループ会社・親密会社と連携し不動産・証券・M&Aなど幅広い案件を結実し、複数の社内賞を受賞。唯一どの会社にも共通して訪れる事業承継という課題を解決したいとの思いから2022年にfundbookへ参画。

 


 

お客様に最も感謝された仕事がM&Aだった

前職はみずほ銀行ですが、大学時代から銀行を目指していたのでしょうか。

鈴木:大学では経済学を専攻し、もともと企業活動に興味を持っていました。ただ、大学での学びは机上の空論と感じる部分があって、社会に出たら経済や企業活動を肌で感じられる職場で働きたいという思いがあり、銀行員を目指しました。

 

就職活動のなかでは商社やIT業界などにも目を向けましたが、やはり業種を問わずに経済の実態に近づけるのは銀行だと思いまして。

 

銀行員時代は法人営業を7年以上経験されたとのことですが、一番思い入れのある仕事を教えてください。

鈴木:M&Aの譲り受け、つまり会社を買うほうの仲介で成約できたのが一番思い入れ深い仕事です。

担当している企業様から「M&Aで事業を多角化したい」という要望を受けて、M&A仲介会社と連携しながら半年ほどかけてご提案を続けていき、成約に結びつけることができました。

 

この時の感謝のされ方がそれまでにない体験で、成約後も事あるごとに「鈴木さんが持ってきてくれた話のおかげ」と名前を出していただけました。

それまでの融資の案件などでは、感謝は上司や組織全体に対して向けられるものでしたから、とても印象に残っているんです。

 

やはり収益額などではなく、お客様に最も感謝された仕事が記憶に残るもので、これがM&A業界を目指すきっかけにもなりました。

 

なぜそこまで感謝されたのでしょうか。

鈴木:銀行としてはM&Aの仕事を推進しているわけではなく、行内にM&Aのノウハウもないので、どの仲介会社と連携するかも含めて担当者の働き次第だったんです。

 

お客様もみずほ銀行という組織の力で成約に至ったのではなく、私個人の頑張りで成約に至ったことを認識してくださっていたようです。

 

銀行員時代の経験で、今に繋がっていると感じるものはありますか。

鈴木:銀行の営業という立場ながら、不動産や証券、法人保険、IT系のツールなど業界を問わない提案を経験できたことですかね。

M&Aも同様です。行内の様々な部署や別の企業と連携することは、大きな刺激となりました。

人生を振り返ったときに、チャレンジしなかったことを後悔したくない

転職活動を意識された時期やきっかけは。

鈴木:入社して5、6年目で「営業の力がついてきた」という実感が得られるようになってきた矢先に、コロナの影響で考える時間ができたのがきっかけですね。

30歳という節目が迫っていたこともあり、銀行員を続けるかについて考え始めました。

 

銀行での仕事自体は本当に楽しかったですが、同時に銀行固有の業務の価値は縮小していくと感じていました。

銀行という組織は間違いなく存続していくと思いますが、銀行単体での役割というか、価値は下がっていくのではないかと。

 

なぜそのように感じたのでしょう。

鈴木:ご提案の際も他社を紹介する方がお客様に喜ばれることが多く、「紹介業」になっている感覚があったんです。

銀行だからこそ様々な業界との橋渡しができ、企業間のコントロールタワーのような役割を担う楽しさはありましたが、「それだけでいいのか」という思いも芽生えてきました。

 

自分の強みとして、いくつかの専門性を身に付けたいという気持ちが強くなってきました。

 

転職活動のなかでM&A業界を選んだ理由は何でしたか。

鈴木:先ほどお話した成功体験もあり、純粋にM&A仲介の仕事をやってみたかったのが最大の理由です。客観的に見てもお客様から求められ、数年先も拡大し続けるマーケットだと思いますし。

 

また、M&A仲介は専門性だけでなく人間性も問われる仕事であり、よく「総合格闘技」なんて表現もされますが、銀行員時代に様々な会社と連携して総合力で勝負していた自負がありましたので、実力を試す意味でもチャレンジしたい業界でした。

 

同業他社の中からfundbookに決めた理由もお聞かせください。

鈴木:前職が古い業界の大企業でしたので、ベンチャー系でこれから成長していく企業を経験したいという思いがありました。そのなかでも、fundbookの後発ながら業界トップを目指す勢いに魅力を感じました。

 

正直に言ってしまうと、どのM&A仲介も突き詰めると同じ仕事をしていて、結局は担当者次第なのかなという意識があり、あとは自分に合うかどうかだと思っていました。

 

銀行という安定した組織から若い企業へ移ることに不安はありませんでしたか。

鈴木:不安がなかったといえば嘘になりますね。転職も初めてでしたし。

ただ、年を取って人生を振り返ったとき、好奇心をくすぐられたことにチャレンジしなかった事実のほうが後悔に繋がると思い、飛び込みました。

 

M&Aに対するネガティブな誤解を解いていきたい

M&Aアドバイザーとして働くにあたり、不安を感じる部分はありましたか。

鈴木:ストックビジネスではなく、また既存のお客様が割り当てられるわけではないので、安定して収益を上げる手段について不安を持っていました。

銀行では30社ほど担当を持ち、毎年何らかの案件が発生する企業などもあり、ある程度売上の予測も立てやすかったですが、M&A仲介では圧倒的に計算がしづらい環境になると考えました。

定期の訪問すらないとなると、やはり不安は感じましたね。

 

ソーシングの部分に不安を感じていたということでしょうか。

鈴木:そうですね。ただ、実際に働き始めると、コールや手紙などでソーシングを重ねていくわけですが、思っていた以上にお客様から商談の機会をいただけることに驚いています。

想像以上にニーズというか、経営者様がM&Aに関心を持たれているのだなと感じます。

 

実際、アポイントすらいただけないことも覚悟していましたが、先日の案件では初回訪問でお客様から大事な財務書類をいただくほど話しが進んで驚きました。

やはり承継問題を中心としてM&Aにはニーズがあり、きちんと説明ができれば仕事は前に進んでいくと手応えを感じられて、自信にもなりました。

 

銀行での法人営業の経験が活きていると感じた部分はありますか。

鈴木:訪問後のやりとりは、銀行での法人営業と一緒だと思います。まずは一個人同士それぞれのことや考えを知ることを意識して、あえて本題とは関係ない話題を会話したりして。そういったやり取りで関係も構築したうえで、最後に提案するという流れです。

 

また、60代くらいの方は銀行の話にとても興味を持ってくださるので、そういう意味でも銀行員でよかったと思いますね。為替や借り入れなど、いろいろと話を広げられますし。

 

実際にM&A業界で働き始めたことで得られた気付きなどはありますか。

鈴木:M&Aについての正しい認識がされていないと感じることも多いです。前職でお付き合いのあった企業様でも、金融知識はあるのにM&Aに対してはネガティブに受け止めている方は多かったですね。

 

M&Aは承継の選択肢のひとつで、会社を成長させるための強力なツールであることを認識されていない方が多いので、その誤解を解いていくのもモチベーションのひとつになっています。

 

まだ入社間もない段階ではありますが、銀行からM&A仲介に移り、やりがいを感じるのはどんなところでしょうか。

鈴木:銀行員時代とは異なり、入り口が「おたくって何の会社?」と認知度や信用度が低い状態から始まるので、より営業としての総合力が試されていると実感します。

仕事を進める際も自分で先を見据えて計画を立てる必要があり、自分の特徴や強みを活かさなければいけません。自分のことを顧みる、良いきっかけにもなっています。

 

また、銀行員時代にはいわゆるお願い営業も一部必要とされていましたが、M&Aというお客様から純粋に求められているものに対して、理路整然とご提案することで仕事が進んでいくのは、すごく気持ち良いですね。

なによりM&Aアドバイザーはプレイヤーもまだまだ少ないので、仕事自体が貴重な経験になっていると感じます。

 

※インタビュー時、入社5か月目

 

最後に、M&Aアドバイザーとしての今後のビジョンを教えてください。

鈴木:まず目先の目標ですが、ソーシングからマッチング、エグゼキューションまで一人で完結できる一人前のプレイヤーを目指していきます。

 

また、社内には様々な経歴を持つ方がいて、社外では地域を問わず様々な業種の企業オーナー様と出会えるので、いろいろな知見を吸収していきたいです。

その先についてはあえて考えないようにして、目の前の仕事に向き合っていこうと思っています。

fundbookでは、M&Aアドバイザーを積極的に採用しています。

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